JP-Super.com 特別企画
「おさかな天国」リリース元
全魚連中央シーフードセンター 潜入リポート!

2001年3月30日(金)、このページで長年追いかけてきたあの「おさかな天国」について、発売元である全魚連中央シーフードセンターさんに「取材」という仕事上の名目でうかがった。もちろん、本当は趣味丸出しである。

いかにも農協・漁協

東京・内神田。首都高速が上空をふさぐ川沿いに、全魚連が入居するコープビルがある。農水省関連の団体がよく会議や説明会などに使う建物で、テナントは農協・漁協の関連ばかり。
7階の全魚連フロアに突入。そこは、いかにもな感じのお役所的フロアだった。その中にシーフードセンターがある。センターといっても、事務所の一角であり、特に仕切られてもいない。商談や応接などに使われているであろうエリアで、お話をうかがった。

息の長いヒット作!

お話をうかがっていて感じたのが、ご担当の方が取材慣れされていること。けっこう最近でもテレビ局の取材があったりしているそうである。
無駄話をしている間もなく、問題の「おさかな天国」についての質問をぶつけた。
nappara「そもそも、いつごろ作られたんですか?」
ご担当「平成3年に、水産庁の普及事業で作成しました」
…! なんと「おさかな天国」は、1991年の作品で、今年(2001年)10周年を迎えたのだった!! 「だんご3兄弟」が爆発的に売れて、売場を占拠したあとパッタリと耳にすることがなくなったのとは非常に対照的である。「たこ焼きマンボ」などは足元にも及ばない。そんなに歴史のある代物とは知らず、ずいぶん得意げなページを作ってしまったもんである。
最初はカセットテープで作成され、約1万本が大手量販店などに配布されたという。そのうち、このテープが劣化、つまりのびてしまう頃、劣化しないCDでのリリースを要望する声があがり、カップリング曲「おさかなパワー」を新たに作成し、平成8年にCDとして発売された。こちらは有償での販売のみ。

1日5本ペースで売れてます!

nappara「どのくらい売れるもんなんですか?」
ご担当「毎日注文がきますよ。だいたい5枚くらい」
…! そんなに売れているとは…。特にネットで購入方法を紹介してから(リンクしてます)注文が増えていて、直接買いにくる方も多いとか。
ご担当「お店の方が多いですけど、20代くらいの、マニアックな感じの方も結構来られますよ」
…すいません、私もそのひとりです。ていうかこのページがそういう人材を送り込んでいる面もあります。
1998年に「探偵! ナイトスクープ」で取り上げられた時が一番売れたそうで、月100枚くらい売れたとか。

作成はサンミュージック!

この曲が作られる前年の平成2年、魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が、頭がよくなるという報告が世を騒がせた。それを受け、子供をターゲットに、魚に親しんでもらおうと、アップテンポな曲調が採用されたという。曲の制作は、大手プロダクションのサンミュージックに依頼。どうりで「のりピー音頭」に似ていると思った。(ウソです、似ていません)
特に重要な歌詞については、5〜6回の委員会が開かれて議論されたという。きっと頭のやわらかい人とカタい人の衝突などもあっただろう。

結論:やっぱりすごい曲

リリースから10年も経って、いまだにこんなに騒がれ、支持されている曲は珍しい。取材の直前にも、某食品スーパー大手さんから、エンドレステープで200本(全店分)の「別注」が入ったという。
リリース当時よりも、現代の不況風が覆い尽くす世の中のほうが、「おさかな天国」のような能天気にハッピーで、明るくダジャレ連発な曲が支持される面もあるのだと思う。
小西康陽リミックスとか、井上陽水によるカバーとかを聞いてみたいものである。
ちなみに、カップリングの「おさかなパワー」は、インパクトに欠ける。残念。

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